普段小説を読まない人が『コンビニ人間』を読んでみた

私は普段、全く小説を読みません。

なぜかと言うと実用的ではないからです。様々な人の物語が描写されており勉強になる部分もあると思います。しかし、一見して本のタイトルから何のことに関して書いてあるのか、何が学べるのかわからないため手に取る機会はあまりありませんでした。

前回読んだ小説が齋藤智裕さんの『KAGEROU』でした。俳優の水嶋ヒロさんが執筆されたことで話題になった本です。内容は面白かったことは記憶しています。ただ何かを学べた記憶はありません。そして話の終わり方があっさりしていた気がします。

 芥川賞受賞作品『コンビニ人間』

そして今回、久しぶりに小説に手を伸ばしたのが芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの

コンビニ人間』です。

なぜこの本を手に取ったのかですが、特に理由はありません。単純に題名の意味がわからなかったので興味がわいた、芥川賞をとっているので面白いのではないかと思ったからです。あとは、たまには実用書以外の本もも読んでみようかなと思ったからです。

コンビニ人間

コンビニ人間

 

 

『コンビニ人間』が面白い理由 

率直に言って面白かったです。この本の中で個人的に面白かった理由は2つ。

「主人公の個性と思考」「普通でない人への偏見」です。

主人公の個性的な思考

主人公はとにかく個性的で人とは異なる思考の持ち主なので、その考え方がとても面白いです。普通の人とは物事の捉え方が異なるため、社会に馴染むことができない人です。そんな主人公が社会の一員として居場所を見つけるために奮闘していく姿が個性溢れ一風変わった思考のと一緒に描写されています。

普通でない人への偏見

この個性的な思考を持つ主人公に対して、周りにいる家族や友人、職場の同僚達は普通になることを望みます。そして本人も普通の人を装うことに奮闘します。普通の人になろうとする時もとても個性的です。周りが結婚している人が多くなると、結婚していない人は普通ではなくなります。そして周りの人は、その人に結婚を勧めます。いつまでも結婚しないと何か問題があるのではないかと勝手に想像を膨らませます。そのような偏見と主人公との戦いも読みどころだと思います。

この本を通して何を思うのか

まずは、普通っていったいなんなんだろうか?ということ。結婚で言えば結婚するのが普通っていうのは違う気がします。それは、結婚したいから結婚しているだけだと思います。

全ての人にとって結婚が幸せなことではないと思います。そうすると結婚をしていなくとも特に変ではないということです。「いい歳なんだから結婚しなさい」という言葉をドラマなどでもよく聞きますが、歳と結婚は関係ないですよね。

だから、世の中でよく言われる常識という謎の言葉を疑うことも必要だと思います。常識なんていうものは、今までそうやる人が多かっただけのことかもしれません。新しい発見や発明があればこれまでの常識は常識ではなくなります。

大事なのは自分の価値観で物事を判断することだと感じました。人の意見を聞くことももちろん大切です。しかし、その意見をただ鵜呑みにするのは自分の意見ではありません。人の話を聞いた上で自分の中で考えて答えをだすことが自分として生きる方法だと思います。周りの意見に流され誰かの人生を生きるのはやめて、自分で考え判断することで自分の人生を歩むことができれば、周りの意見に左右されない自分らしい人生が送れるのではないでしょうか?コンビニ人間さんのように。